わたしを知るもの好きがたり

「わたしを知る」をテーマに自由に書いています。

お酒を飲まなくなったことetc

お酒を飲まなくなってから2年2ヶ月。それまでは冷酒から熱燗まで嗜む辛口の日本酒好きだった。ビールも好きだった。
きっかけは誕生日のすき焼き。いつもなら日本酒を飲み、最後はうどんで締める。しかし、その日はうどんを買い忘れ、ご飯を炊くこととなった。
すき焼きは割下を入れる前に最初の2枚をネギ塩で食べる。和牛特有の脂を纏い、少し焦げた刻みネギの味を知ってから定番になっていた。その日はパートナーが「これをご飯で食べようよ」と提案してきた。ご飯と一緒に日本酒を飲みたくないので躊躇したが、食べたことのない組み合わせへの好奇心が勝った。
食べてみると、ご飯と一緒の方が美味しい!ご飯、ネギ、和牛の脂の3者の甘みが噛むほどに混じり合って口に広がる。心が踊った。
その後もご飯と共に食べ続け最後まで日本酒を飲むことはなかった。

ここから日本酒やビールと合わせて美味しいと思うものを片っ端からご飯で食べるようになった。お米が美味しい。初めて思うことだった。色々なお米の品種も食べ比べて好みを探し出し、今では雑穀を入れたりもしている。

それからお酒を飲むことがなくなった。

半年後、父の誕生日でもある元旦に実家へ行った。日本酒好きは父の影響で、その日もお節を肴に5種類を利き酒することになっていた。飲むかどうか迷ったが父の誕生日だしお相伴にあずかることにした。
久々の、それも自分では買わないような日本酒もあり利き酒は美味しい。蔵元の水の違いがよくわかる。そして、お節は日本酒のためにあるとも思える。それぞれの酒の性格と食材の組み合わせを試すと楽しい。ナマコの内臓の塩辛である“このわた”は、さすがにご飯では合わないだろうと思う。
しかし、飲んでわかった。日本酒そのものの味は好きだけど、酔っぱらうことが嫌いになっていることに気づいた。酔っている状態に自分を置きたくない。

それからは一切お酒を飲んでいない。今年の元旦は飲まなかった。飲みたいとも思わない。

こうやって気がついたらお酒を飲まなくなったのだが、それに伴い味覚も変わった。辛いもの好きだったが食べられなくなったのだ。麻婆豆腐とカレーが大好物で痺れるほどの激辛にしていた。パートナーは辛すぎて泣くハメになったこともあるぐらい。それが今では全く無理になった。

肉・魚料理も食べることが減った。昔、肉食は良くないと考えて食べないこともあったが、無理に禁止すると反動で余計に食べてしまっていた。それが今では週1、2回になっている。年齢の影響もあるかもしれないが。

このように自然と変わっていくという経験を他にもしている。
私にとって記念すべき2015年以降、ダイエットをしているわけではないのに5年かけて体重が10キロ以上減った。昔はダイエットしてはリバウンドを繰り返していた。それが食べたいように食べているだけなのに今では上下の変動がほとんどない。

無理なく自然に変化していく。
流れに身を任せる。
それが私には合っているとつくづく思う。